第17話・裁判傍聴ツアー、再び!

 さて、今回はLilyさんからのリクエストに応えて、先日、裁判の傍聴に行った時の話を番外編として書いてみようと思います。では、本編スタート~!

 10月のある日、翌日からの大学祭の準備の為に休日になってしまった。なので、この休みを利用してみっつは裁判の傍聴に行ってみようかと思っていた。元々、裁判傍聴には指導室でも個人でも何回か訪れていたので勝手は分かっていた。だが、1人で行くのも面白味がないので、裁判に興味を持っている後輩のLilyを誘い2人で行く事になった。当日の待ち合わせ場所は、裁判所最寄の地下鉄の駅に12時半と決まった。そして、当日・・・。
 
 余裕を持って11時頃に起きたみっつはすぐに風呂に入りに行った。そして、上がって来て携帯を見るとLilyからのメールが来ていた。
 [着きました。1番出口の方にいます。]
 しばらく携帯の画面を眺めていたみっつだったが、内心はパニック状態になっていた。
 (もしや、約束の時間は11時半だったのか!や、やばい!)
 すぐに着替えて家を飛び出したみっつは急ぎながら携帯で昨日送信したメールを再確認した。すると、
 [明日、12時半に~]
 と、書いてあるではないか!
 (間違ったのはLilyだったのか!)
 でも、早く来すぎて待っているのに変わりはないので急いで駅へと向かったのだった。そして、1番出口の方に向かうと、
 Lily 「あ、みっつ先輩だ。」
 みっつ 「や、やぁ。早かったね~。」
 Lily 「いや~。1時間、間違っていた事に送信してから気づきましたよ~。重過失ですよね。あはははは」
 みっつ 「じ、じゃあ、行こうか~。」
 そんなこんなで裁判所に向かったのだが、元々の待ち合わせ時間自体が余裕を持ったものだったので、かなり時間に余裕が出来てしまった。とりあえず、今日の案件を見に行ってみたり、競売物権の閲覧をして時間を潰した。
 みっつ 「それじゃあ、そろそろ時間だから傍聴しに行くか~。」
 Lily 「そうですね~。では、行きましょうか。」
 法廷へと向かった2人は、まず時間の短い判決を傍聴し、この日のメインである「強制わいせつ」の案件を見に行く事にした。法廷に入ると意外に多くの傍聴人が座っていて、大入満員状態であった。少し遅れて入ったので、すでに裁判官と被告人などがいて裁判は開始されていた。どうやら、若い検察官が事件のあらましを喋っているようだったが、マジメな声で「女子高校生に興味を持ち」や「パンツを奪取し」などと話すので、みっつは内心で、
 (これって、真顔で読み上げるから面白いんだよな~。)
 と、思っていたが顔は真剣そのもので聞いていた。だが、裁判傍聴の経験の浅いLilyは顔を伏せ、笑いたいのを堪えるのに必至になっていたが、遂に「ぶっ!」と少し吹き出してしまっていた。更に近くに座っていた男の人のお腹が鳴らしてしまい、吊られてLilyも、そしてみっつもお腹を鳴らしてしまった。
 (お、俺まで鳴らしてしまうとは!恥ずかしい~!)
 そんな具合に、とても賑やかな(?)傍聴を終えた2人は裁判所を後にして大通り公園を歩き始めた。話題は、当然に裁判傍聴についてであった。
 みっつ 「どうだった?初めて傍聴した裁判は?」
 Lily 「面白かったですよ~。ただ、生々しかったですよね~。」
 みっつ 「まぁね~。さっきの強制わいせつの案件は知ってる駅での話しだもんね。」
 Lily 「ホント、怖いっすよ~!」
 しばらくしてベンチに座って話を続けていた2人であったが、さっきのお腹が鳴ったことでも空腹なのは明らかだったので御飯を食べに行く事にした。場所はお好み焼の「風月」。そう、例の食べ放題可能なお好み焼屋である。地下鉄に乗って移動した2人は「風月」を訪れ、当然のように食べ放題を注文した。
 Lily 「お好み焼き屋に行くなんて初めてですよ~。」
 みっつ 「あら、そうなの?焼き方分かる?」
 Lily 「家で食べるから分かりますよ~。」
 とりあえず、1枚目を普通に頼んだ2人は焼き始めた。なんだかんだ2人共、かなり上手く焼くことが出来て、美味しそうなお好み焼が誕生した。
 みっつ 「じゃあ、いただきま~す!」
 Lily 「いただきます~!」
 空腹も手伝って順調にお好み焼を食べ続けた2人は、次の注文をすることにした。
 みっつ 「じゃあ、たこで~!」
 Lily 「では、私は広島風で!」
 広島風お好み焼は、作り方が難しいのでLilyはお店の人に作って貰う事にした。懸命な判断である。以前に頼んだみっつは自分で作ろうとして「お好み焼のような具材に玉子焼きと焼きそばが申し訳なさそうに付属している物体」に変貌させた事があったのだ。
 みっつ 「では、お先に焼くよ~。」
 先にお好み焼の来たみっつは、焼き始めていた。しばらくすると、完成版の広島焼きが到着したが、流石に物凄いボリュームである。
 みっつ 「こ、これ1人で食べられる?」
 Lily 「大丈夫っすよ~。いただきま~す!」
 そう言いながら食べ始めたLilyは、巨大な広島焼きを順調に消化して行った。そして、遂に消滅させるに至ったのだった。
 みっつ 「次は何にしようかなぁ?あ、焼きそばにしようかな!」
 Lily 「こうなったら私は珍しい物を食べますよ~。という訳で、もんじゃ下さい~!」
 好奇心旺盛なLilyは未知なる「もんじゃ」を注文し、作り方を見ながら作業を開始した。だが、慣れないだけに苦戦を強いられていた。みっつの目からは、到底「もんじゃ」といえない代物が作り出されつつあった。真ん中の窪みから「もんじゃ」の元となる汁が止め処なく溢れ出していた。
 みっつ 「そ、それ明らかに違わない?口では上手く説明できないんだけどね。」
 Lily 「こんな感じでいいと思いますよ~。」
 すると、店員さんが食器の片付けにやって来て、
 店員さん 「これは、もう少し切ったほうが良いですよ~。」
 と、言いながら少し作ってくれたので形は整ったが、Lilyは我が道を行くとばかりに独自の作り方を展開し、完成したのは「Lily焼き」(みっつ命名)という新たな食べ物であった。新種誕生の瞬間を目の当たりにしたみっつは絶句し、
 みっつ 「こ、これは野菜炒めにもんじゃの汁が交わっているだけでは!?」
 と、忠告した。だがLilyは、
 Lily 「別に大丈夫ですよ~。ほら、食べられますって。あはははは」
 こんな具合に全く意に介せず完食してしまった。流石に3枚も食べれば満腹なのだが、まだまだ食べられるとばかりに2人は4枚目を頼む事にした。
 Lily 「もう、そろそろキツイですよ~。」
 みっつ 「ふふ、まだまだ甘いねぇ。」
 とかいいながら限界を感じていたみっつだったが、余裕を見せる為に無理してお好み焼を食べ続けた。なんだかんだ全て食べ切った2人はお腹を押さえながら「風月」から撤収した。
 この後、Iちゃんとの遭遇や「ぺ」の登場、大学祭の前夜祭に行ってたりと話しは続くのですが、お好み焼について詳しく書きすぎたので尺がないのでここで完結~。
                             
 さてさて、リクエストに応えてみましたが、いかがだったでしょうか?今回はLilyの証言を参考(主にお好み焼の食べた順番)にしながら書いてみました。
 さて、次回は思いついた時に書くとしてしましょう。まぁ、HPのタイトルが「未定の予定」ですし、ここは平にご容赦を~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ
           [出演・製作協力] Lily


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